新型出生前診断の問題点の1つは3つの染色体疾患しか検査できないこと

育児

6年ほど前から国内でもある条件に当てはまる妊婦が受けられるようになった新型出生前診断(NIPT)についてのお話です。

私には3人の子どもがいますが、1番目の子が染色体疾患と聴覚障害、3人目の子が聴覚障害を持って生まれてきました。

障害児の親の立場から新型出生前診断診断(NIPT)について考えてみたいと思います!

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新型出生前診断(NIPT)とは?

新型出生前診断(NIPT)は妊娠10週以降と早い段階から受けられ、母体からの採血で検査できるので流産や死産のリスクがなく、最近注目されている出生前診断の方法です。

母体の血液中に含まれる赤ちゃんのDNA断片を分析して、以下の3つの疾患を検査することが可能です。

  • 21トリソミー(ダウン症候群)
  • 18トリソミー(エドワーズ症候群)
  • 13トリソミー(パト―症候群)

21トリソミーは染色体疾患の5割を占めるダウン症候群のことです。
染色体疾患として次に多いのが18トリソミー、3番目に多いのが13トリソミーでこの3つが染色体疾患の約7割を占めます。

かなり精度の高い検査ですが確定検査ではないので、検査結果を確定させるためには羊水検査か絨毛検査を受ける必要があります。

検査費用は医療機関によって異なりますが、約20万円ほど必要になります。

検査結果は採血から1~2週間ほどで分かります。

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新型出生前診断(NIPT)を受けられる条件は?

次のような条件に当てはまる妊婦が受けることができます。

  • 胎児超音波検査で胎児に染色体疾患の可能性があると判断された妊婦
  • 高齢出産の妊婦(出産予定日の年齢が35歳以上)
  • 以前に染色体疾患のある赤ちゃんを妊娠または出産したことのある妊婦
ゆみ

2人目の子を妊娠したときに3番目の条件に当てはまっていましたが、
検査を受けませんでした。その理由は後ほど・・・。

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結果で陽性が出た場合に迫られる決断

新型出生前診断(NIPT)で染色体疾患があると判った夫婦の9割が人口妊娠中絶を選択するそうです。

きっとものすごく悩んで苦しんで出した決断なんだと思います。

障害児を育てることの大変さ、自分が死んだ後のことなどを考えると産まないほうがいいと思う気持ちは分かります。
本人たちが産む決断をしようとしても、周りの家族が心配して反対する場合もあると思います。

人それぞれ価値観も違うし事情も違うので中絶の選択をした夫婦を批判することはできません。
前項でも挙げたように受けられる条件の高齢の方や既に染色体疾患のあるお子さんがいる方には総合的に考えて産む決断は難しいのかもしれません。

私も産む前に障害が判っていたら、どんな決断をしたか・・・。
考えるだけでも胸が苦しくなります。
実際にその決断を迫られた夫婦の苦悩を思うと、こんな検査はないほうがいいんじゃないかとも思います。

だから、受けられる条件を決めて限られた妊婦のみが受けることができるようにしているんでしょうね。

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結果で陰性が出たとしても他の疾患がある場合がある

新型出生前診断(NIPT)で陰性が出た場合、的中率は99.99%なので21トリソミー、18トリソミー、13トリソミーの染色体疾患のある赤ちゃんが生まれることはほぼありません。

ですが、忘れないでほしいことは先天性疾患は他にも色々あるということです。

染色体疾患の7割の可能性はないと判っても他の3割に該当する可能性もあります。
我が家の長女はその3割に該当する5p-症候群という染色体疾患でした。
妊婦健診ではなんの異常もなく、生まれてから判りました。

先天性疾患には染色体疾患だけでなく、聴覚障害や視覚障害、代謝異常、心疾患など様々あり、全出生数の約6%が何かしらの疾患を持って生まれてくると言われています。

新型出生前診断(NIPT)で陰性の結果が出たとしても、他の障害を持って生まれてくる可能性はあるということ。
生まれてこないと分からない障害は沢山あります。

ゆみ
ゆみ

そういう訳もあって2人目、3人目の妊娠時に
私はNIPTを受けることはしませんでした。

新型出生前診断(NIPT)で陽性になったら中絶すると決断していた夫婦が陰性だったから出産したら、他の生まれつきの障害があったなんてことも起こりますよね。

そんな時は障害を受け入れて育てていくんだと思います。
それでいいんじゃないかな。

そう思うとやっぱり今の新型出生前診断(NIPT)の必要性に疑問を持ったりします。

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海外では他の染色体疾患も検査対象である

日本では3つの染色体疾患しか検査できませんが、米国ではそれ以外の染色体疾患についても検出可能な検査があるそうです。

個人的な意見ですが、調べるならそこまでしたほうがいいんじゃないかと。
そうなると我が家の長女のような出現確率の低い染色体疾患も調べられるし、染色体疾患全般の確率がほぼないと判ったほうが産む側も安心できるんじゃないでしょうか。

染色体疾患を持つ子どもの親の立場からすると、新型出生前診断(NIPT)の検査対象をもっと拡大してほしいです。

一般的には染色体疾患の7割ではないと判るだけでもだいぶ安心できるのかもしれませんが。

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さいごに

健康な赤ちゃんが生まれることを願うのは当たり前です。

もし、赤ちゃんが障害を持って生まれてきたら、こんなはずじゃなかったと思ってしまう時はあると思います。
でも、きっと時間が経てば障害を受け入れて、乗り越えて楽しく生きていける日が来ます。

障害児を育てている今だから言えることがあります。
それは、障害児を育てることは大変は大変だけど、意外となんとかなるということ。
まだ、障害児の親として8年のキャリアしかないけれど、福祉サービスや手当などの利用で負担はかなり軽くなっていると感じます。

障害の種類や年齢によって大変さは違うのだろうけど、少なくともダウン症候群の子は我が家の長女の5p-症候群よりは症状が軽く、そこまで負担にならないのではないかと思ったりします。

障害があるから産むのを辞める、その判断を聞くと障害児の親は少し悲しくなります。
そこまでして生まれることを拒まれる存在なのかと。

ゆみ

やっぱり命を扱う問題なので、ものすご~く難しい話ですね。

コメント

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